いつの間にか、溺愛。
「ところで、どちら様?」

え、このタイミング?

セミロングのゆるふわな髪から、少し香るブランドの香水に華奢な体に甘い顔立ち。

きっとどこかのお嬢さんであろう、白のワンピースがとってもお似合いだ。

あぁ、勝ち目なんてゼロどころかマイナスだ。

「……えっと、戸高さんの友達の、……友達です」

「そうなんだ〜 蒼の彼女じゃないの?」

「っ!?っそ、そんな、滅相もございません!安心して下さい!100%違いますのでっ……

「へぇ〜 俺ってそんなに嫌われてるんだ」

「えっ…… 」

「あ、蒼!おかえり〜 」

噂をしていた当の本人のお出ましだ。

いやいやいや、タイミング悪っ!

蒼に、彼女に、わたし… 絵面が辛いわ。

「梨花、お前なんでここにいるんだよ」

「居て悪い?」

「悪いから言ってんだ」

「まぁまぁ、そんな怖い顔しないでよ?仮にも彼女でしょ?」

……ほら? やっぱり、ね。
< 54 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop