いつの間にか、溺愛。
2人がゴタゴタ話している中、聞こえたフレーズにヘコんでいる私って……

「あ、あの…… お取り込み中すみませんが、私ちょっと用事を思い出したので、失礼します」

これ以上ここにいても虚しくなるだけだ。

「いや、それは困る」

そう言った彼は私の腕をグッと掴んだ。

「はぁ..… 梨花、お前の茶番劇のおかげで俺はこいつに避けられてんだよ。もうお遊びもここまで、な?」

なぜか苛立っている彼、そしてわけもわからず掴まれている私。


___ガチャっ

また来客なのか?扉が開いて男性が一人入ってきた。

「蒼〜 何か用か……っあ… 」

「お、タイミングがいいな兄貴。俺じゃなくて梨花が話があるみたいだから… じゃ後はお二人で、ごゆっくりと」

「ちょっと、蒼!どういう事よ!」

「もういい歳した大人なんだから。ちゃんと話し合えよ〜」

そう言い残して、彼は私の腕を引っ張り部屋を出た。
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