いつの間にか、溺愛。
話は、こうだ___

梨花さんとは家が隣同士で幼馴染。

同じ歳の梨花さんと蒼は犬猿の仲。

二つ上の蒼のお兄さんの取り合いをいつもしていたんだとか。

梨花さんは某有名な会社の箱入り娘で、超が付くほどのお嬢様。

物心ついた時から蒼のお兄さんにぞっこん。

ようやく大人になり梨花さんの猛アタックでついにお付き合いまで漕ぎ着けたんだとか。

が、しかし。

梨花さんとお兄さんが付き合っているのを知らなかった両家の両親は梨花さんのお見合い話を蒼にしようと考えていて……

そうなるや否や、お兄さんは別れると言い出し。

結局、お見合いをしたものの……

互いにに未練たらたらなのは誰が見ても分かるわけであって____


「お互い、俺に情報収集してくるし。なら、二人で話し合えば?って思ってね」

「そ、そう、なんだぁ… 」

まるで昼ドラのような話で頭がついていってないけど。

「まっ、あとはどうにかなるだろ」

「……っえ、お見合いしたのに大丈夫なの?」

「親父達も別にそんな気にしてないって。兄貴が真面目すぎんだよな〜」

「はぁ… 」

そういうもんなのか?

こちらとしては未知の世界すぎて。

「それで、俺が梨花と見合いした日をタイミングよく鈴が見たってこと」

「あ、あの時、お見合い中だったんだ…… 」

「お見合いってより、ただ単に梨花の買い物に付き合わされただけ。人使い荒いのなんのって… 」

「そ、蒼は… 梨花さんの事…… 好き、じゃないの?」

「はあ?俺が?いや、マジで勘弁。あんなの扱えるの兄貴くらいしかいないよ」
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