しょうがないから好きになってあげる!
SHRがるいのせいで少し長引いたが終わり、風花のところへ行こうとした。が、大量の人がるいの方へ歩いてくる。
な、なに!?
「るいちゃん!って呼んでいいかな?いやぁ、めっちゃかわいいね!」
ひとりの男子がそう言うと、他の人もいっせいに「俺も!」「私も!」と言っている。
それって、
「るいと友達になりたいのかしら?」
「るいちゃんはほんっとツンデレだよな〜!さっきはあんなにデレててかわいかったのに、もうツンツンしてる。んまぁ、どんなるいちゃんでもかわいいけどなぁ〜!アハハッ」
「るいちゃんのこと口説いてんじゃねーよ!」
「そーだぞ!抜けがけ禁止!!」
男子は口をそろえて「そーだそーだ!」と言っている。
女子は完全に呆れていて、「男子は放っておこ!」などと言っている。
みんなそんなわたくしと仲良くなりたくて?
かわいいんだから。
「おーっと!るいちゃんの友達一号は俺と風花ちゃんだかんなー!」
「京太郎!」
るいの肩を引き寄せて半分抱きしめるかたちでみんなに見せつける京太郎。
やめてよ!恥ずかしい!
「それに、るいちゃんはただの女の子じゃねーんだぞ?」
は?ただの女の子じゃないってどういうこと?
「るいちゃんはお金持ちのおじょう「あーーーーーーー!!!!!」
やめて!!!
「……京太郎!」
キッと京太郎を睨んで廊下に連れていく。
「そのことはみんなに言わないでよ!」
「なんでだよ?るいちゃん家でバーベキューとかできそうじゃん!みんなでやりたいなーって………お、おい、そんな顔すんなよ?どうしたんだ?」
るいが泣きそうになっているので京太郎は戸惑っている。
「……だって……るいがお金持ちって知ったら…………仲良くしてくれなくなっちゃうかもしれないじゃない……」
今のるいには弱々しい声しか出せなくて、思い出したら悲しくなってくる。
「るいちゃん!」
るいを呼ぶ京太郎の顔を見あげると京太郎は笑っていた。
優しい顔で。
「大丈夫だよ。それに、言ってみなきゃわかんねーだろ?みんなそんなに器の小さいやつらじゃねーよ!」
「……本当?」
まだ弱々しい声のるいに京太郎は「大丈夫。」と強く言った。