しょうがないから好きになってあげる!


ガラガラガラ



そんなにじっと見ないでちょうだい。
まぁ庶民にはるいみたいにかわいくて気品のある女性が珍しく見えるのは当然のことだけれどね。



無言で空いている席に着く。
机の上には校章のピンバッジ。

「あ、おはよう其方さん。今日から担任の佐々木です。よろしくね?」

「………」

生徒に敬語をつかわないなんてありえない。
どうなってるのよ。
先生と生徒は敬語をつかい合うなんてあたりまえのことでしょう?
それになに?このオンボロ机。
角やフチからポロポロ木くずが取れるし、表面も傷だらけじゃない。

「其方さん?」

「…はい。」

気分が悪いわ。

「その……ピンバッジは校章だから襟に付けておいてね?」

「…はい。」

不愉快だわ。
他の庶民はよくこんなところに平然といられるわね?
あぁ、
庶民だからよね。

って、このピンバッジ、私が自分で付けろっていうの?
付け方なんて知らないわよ!
全部メイドがやっていたのよ?

「はぁ。」

自分でこっちの学校を選んだんだからこういうのも仕方ないのよね。
慣れていかないと。






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