しょうがないから好きになってあげる!
にしても、
この校章どうやっても付かないわよね?
どこか制服にはめるとこがあるのかしら?
それともテープ?そんなわけないか。
もう!どうやって付けるのよ!
キョロキョロ
「ゴホンッ!ちょっとあなた。」
「……」
「あなたよ!前の席のあなた!」
「んぁ?」
まぁ!だらしない返事!
でもガマンよ。
「この校章、付け方がわからないの。
あなた、付けてくださる?」
「は?い?……あぁ、つけて欲しいのね。貸してみ?」
なんなの?ここには敬語のひとつもつかえる人はいないわけ?
「お願いするわ。」
カチッキュッキュッキュッ
「ほい!できた。」
「どうもありがとう。」
ふん!こんなやつに敬語なんてつかわないわ!
「ねぇ、君、名前は?」
「なんでもいいでしょう?」
「なんだそれ」
前の席の男はそう言ってなぜか笑っている。
はぁ。
疲れるわ。
でも、ここで有意義な生活をするには知り合いが必要よね。
「其方るいよ。」
「へぇ、お金持ちっぽい名前!俺は瀬戸京太郎!よろしくな!るいちゃん♪」
「よろしくする気はないわ。」
「ハハハッ!これが噂の塩対応か!」
「前向いたらどうなのよ?」
「えーしゃべろうぜー」
「今ここで話しているのはあなただけですよ。瀬戸京太郎。」
「ちぇー。」
諦めたのか前を向き直った瀬戸京太郎。
はぁ、いちいちめんどうくさい。