しょうがないから好きになってあげる!



「寒っ」


まだ暖かくなんねーな。
バスの時間でも調べるか。


そう思ってケータイを開くと後ろから声がした。


「要!……神崎要!」




この声は、


「………るい?」



「なんで帰るのよ?そんなにるいのこと嫌い?だったら呼び捨てにしないでよ。今日だって来なかったらよかったじゃない!るいだって…傷つくのよ…」



「るい………ごめん。」



るいは涙目になっていた。
いつも強気なるいをここまで傷つけていたのも知らずに謝りもしないで……


俺はるいの方に歩いて行く。
いきなり近づいてきた俺にるいは少し警戒する。
そんなところもかわいらしい。

俺はるいと同じ目線になるように少ししゃがむ。


「この間も、今日もごめんな。」


俺がそう言うと溜まって収まりきれなくなった涙がるいの頬をぬらす。
困ったな。
俺はるいのその真っ白で透明な柔らかい頬に親指を当てて涙をぬぐってやる。

るいは何も言わずに俺に抱きついてきた。
なにか安心したようだった。
俺は片手でるいを抱きしめ返してもう片方の手でるいの頭をなでる。


最近の俺はるいのことばかり考えて意識して、その理由が今わかってしまう。
普段のきれいな顔が笑うと柔らかくかわいい顔になる。強気で上から目線だけど根は素直で優しいるいが………好きなんだ。

落ちるのはやすぎだろ。




でも、俺はそれを叶える資格はない。
そんなことはわかっているんだ。
だからこの気持ちは今捨ててしまおう。


















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