しょうがないから好きになってあげる!
あれは中学2年のとき。
俺には好きな人がいた。
それが笹原 花(ささはら はな)だ。
一目惚れだった。
夏休みの課題の読書感想文を書くためにテキトーな本を借りようと学校の図書室に行くと彼女はいた。花のように可憐でひとつに結んだ髪がサラサラ風になびいていた。
そのときはすぐに本を借りて帰ったけど夏休みに入っても忘れられなくて新学期が始まると俺はすぐに彼女のクラスを探した。
6クラスあった学校で俺のクラスは6組で彼女のクラスは1組だと知った。
端と端だから気づかなかったのか。
俺は彼女が見たくて昼休みにまた図書室に行った。
彼女はまた風に髪をなびかせて本を読んでいた。
特別、本をよく読むわけではない俺だが彼女と何か接点がほしくて毎日本を読みに図書室へ通った。