しょうがないから好きになってあげる!
その後から毎日、花の病室に通った。
花は良くなるどころか会いに行くたびにやつれていっているようだった。
俺はなにかしてやれる理由でもなく、毎日毎日、花と一緒に本を読んで話をして、また本を読んでやることしかできなかった。
ときには花が読まなそうな少年漫画を持って行ったりした。
少しためらったが、花は読んでくれた。
「おもしろい、おもしろい!」ととても喜んでくれた。
でも、俺は今になってわかった。
あの時、なぜ花がためらったのか。
俺の持っていった漫画は連載中の漫画でまだ完結していなかった。
きっと完結するまでカラダがもたないことを知っていたのだろう。
俺にそんな弱気なところを見せないようにと漫画を読んでくれたのだ。
花がいなくなった次の週に新刊が出たんだぜ?
なぁ、花には「ごめん」ばかりだ。