しょうがないから好きになってあげる!
「るいちゃん!お友達になって?」
一旦黙っていたかと思った伊藤風花も混ざってくる。
「るいちゃん!ね!」なんて瀬戸京太郎も言っている。
もうやめて……
私を惑わせるのは…………
「もうやめて!!!!!」
ビクッと肩を震わせる伊藤風花と瀬戸京太郎。
「もう、友達なんてうんざりなのよ。
せっかく知らない人間ばかりの環境で静かに優雅な生活を送ろうとしていたのに……やめて………やめて………」
「……るいちゃん?なにがあったの?」
心配そうに伊藤風花が私の顔をのぞいてくる。
「他人のくせに………他人のくせにズカズカ人の過去を探ってんじゃないわよ!!!!!」
もう嫌なのよ……あんな思いするのは………
設計を知らない廊下を全力で走る。
全力で階段を降りる。
私の身体に取りついている嫌なものを全て振り払うように全力で………