しょうがないから好きになってあげる!



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神崎 要くんへ





要くん、元気にしてる?


私、要くんに謝らなくちゃいけないことがあるの。


「死ぬのかな」なんて、聞いてごめんなさい。

きっと混乱させてしまったよね。


私、弱気になっててついあんなこと言っちゃった。本当は直接言いたかったんだけど謝るなんて私のプライドが許さなかったのよ。


っていうのは嘘で、本当は要くんに感謝してたら謝るの忘れてたの。










要くんは優しいから、私が死んだのは自分のせいだって思ってるんじゃないかな?

当たりでしょ?



でも、そうじゃないのよ。
私が死んだのは、それはもう私の運命だったんだもん。




要くんが会いに来てくれたから幸せだったのよ。


要くんが、「そうだな」って言ってくれたから安心して私を全うできたのよ。





それまでは “がん” なんて信じられなくて、一回治ったんだから大丈夫って理解しようともしなかった。


でも、要くんがいて、要くんがちゃんと私と向き合ってくれたから余生をしっかり生きれた。




本当にありがとう!






私をいつも救ってくれてありがとう。
笑顔にさせてくれてありがとう。
要くんは、私の光だった。
生きる意味だった。
ありがとう。



要くんと出会えてよかった。








あ、そうだ、要くん私のこと好きだったでしょう?なんでもお見通しなんだから♪



私も要くんのことずっと好きだった。



大好きだったよ。



でも過去形。
生まれ変わったら要くんよりもっともーっとステキな人と結婚するんだから!






だから、要くんをしっかり生きて。


要くんのことだからきっと奥手になってアピールできてないんじゃない?

男の子からリードしてあげなきゃ!


積極的に行きなさい!

一生懸命生きなさい!





あえて何の話かは言わないけど♪






お願いがあるんだけど、時間があったら私のお父さんとお母さんに会いに行ってあげて?
待ってると思うから。

そうしたらきっとまた会える。





いつまでも元気に生きて、幸せになってね?

じゃないと許さないんだから!






だって私の大切にしていた人だもの。











──────────────笹原 花───












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