しょうがないから好きになってあげる!


京太郎が足を止めたのを見て俺も立ち止まると、ベージュの壁の一軒家があった。
標札には『笹原』の文字。

花の家なんだということがわかる。



京太郎は俺の顔を見て一瞬目を合わせたかと思うとインターホンを指さす。


押せってことだよな。






小さく深呼吸をする。


インターホンを押すだけなのに心臓が大きく跳ねて血液の流れが速くなるのを感じる。
緊張、ってやつ?










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