同級生の秘密
私の手をつかむ彼は
さっきのあの表情を
なぜだか泣き出しそうに歪ませながら
勢いよく頭を下げた
「本当にごめんなさい!」
そう叫ぶ。
こんなに張り上げた声、初めてきいた
周りの人たちは、何事かとこちらをみては
いつもと違う驚きの光景に言葉をなくしている
当の彼は、何度も何度も“ごめん”の言葉を口にしながら
ついには膝を床につけようとまでする
さすがに止めたが、
そんな事より
私の心は、鋭い針がいくつも刺さったように、
ひどく痛んだ
今まで味わったことのない痛みだった
歩くこともままならず、
そばで見守ってくれていた志乃ちゃんが
私を抱えて連れだし、
ようやくベンチのある広場についた
後ろを振り返ることなど出来なかった