10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
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「藍どうしたの?今朝から元気ないね〜」
大学の食堂で友達の宮崎里穂(ミヤザキリホ)とお昼を食べている。食堂やカフェテリアがいくつかある中、ここは昼時になるとすぐに混み合う。なんでも、ここの食堂の日替わりランチが大人気だとか。
私が頼んだそれも日替わりランチのハンバーグなのだが、添え物の色とりどりの野菜とは対照的に沈んだブルーの私の心。
口に運ぶがなかなか喉を通らなくて、いつもより食べるのに時間がかかっている。
「ちょっと、色々あってさ」
「噂の幼なじみの彼氏さんと何かあったの?」
里穂は春兄のことを知っている。会ったことはないが、私が一方的によく話している。
「んー、まぁ。全部私がいけないんだけどね」
「なんだ。悪いと思ってるなら謝ればいいのに」
キョトンとした顔でご飯を頬張る。今日の私と違って食べるペースがとても早い。
「そう簡単な問題じゃないんだよ…」
あの後帰って連絡を何度もしたが、春兄に繋がることはなかった。メッセージも読んだマークが表示されなかったし、完全に避けられている。
…当然だ。あんな酷いことをしてしまったのだから。
「ま、何もなく平和なカップルなんて存在しないさ。悩め若者よ」
「…いや、誰だよ」
「里穂様だよ」
充希に似てノリが軽い里穂。私はそういうタイプの子との付き合いがどうやら多いみたいだ。
変に詮索してこない里穂に感謝をしながらなんとかランチを完食した。