10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
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あれから一年。雲ひとつない晴天のこの日、私たちは結婚式を挙げる。
私の家族、友人、春人のご家族、ご友人。今まで関わってくれた人たちを招いての式だ。
ずっと憧れだった純白のウェディングドレスを身に纏い、隣にはタキシードを着た春人が立っている。私の手にはブーケ。たくさんの人が作り出す道の真ん中を私たちは歩く。
「藍、春人さん!本当におめでとう!藍すっごく綺麗だよ!」
目に涙を浮かべた充希。中学の時からの親友で、私のいいところもダメなところも何でも正直に言ってくれた。春人とのことで私を正しい方向へと導いてくれた。かけがえのない存在だ。
「よかったな。ずっと幸せでいろよ」
初めての彼氏だった河西くん。私に元気と安らぎを与えてくれた大切な友達。河西くんは今では高校の女子サッカー部だった高橋さんと付き合っていて、とても幸せそうなんだ。
「…見違えたわね」
南さん。春人の元カノ。昔は色々あったけれど、今ではたまに相談に乗ったりしてくれるお姉さんのような存在だ。棘のある言葉は相変わらずだけどね。
「竹内!ちゃんと幸せにしてあげろよ!」
「当たり前だろ」
春人の親友の木下さん。私が深く関わったことはないけれど、私の知らないところで春人と深い絆が築かれていたに違いない。
「…よかったな。おめでとう」
山下さん。一時期私たちの仲を取り壊そうとした厄介な人だった。でも最終的には私たちを応援してくれた。春人も彼には色々感謝しているようだ。
「藍…大きくなったわね」
「春人くんに幸せにしてもらいなさい」
お母さん、お父さん、まだまだ立派な人間じゃないけれど、奥さんになれました。一人娘の私を大切に育ててくれてありがとう。
「藍ちゃん本当に綺麗!二人が一緒になってくれて本当に嬉しいわ!」
「春人には勿体無いくらいの美人さんになったな」
春人ママ、春人パパ。私が生まれた時から面倒を見てくれた人たち。昔から私を本当の娘のように可愛がってくれた、第二の故郷のような場所だ。
「みんなー!ブーケ投げるよー!」
後ろを向き、両手でブーケを高々と投げた。これを取った人が次に幸せを掴んでくれますように…
「藍、子供何人欲しい?」
「え?んー、そうだなぁ。男の子と女の子、一人ずつ欲しいかも」
「うん、俺も一緒」
大好きな人たちに囲まれて行われた結婚式。これから増える家族との幸せな未来を思い浮かべながら、どちらかともなくキスをした。
春人…
ずっとずっと、一緒にいようね。
【完】
※その後の『おまけ』更新予定