10年愛してくれた君へ【続編】※おまけ更新中
その柔らかい頬にもう一度触れようと、人差し指を近づける。
すると、急に手首を掴まれたから驚いた。
「…おはよ、藍」
目にかかる前髪が色っぽい。
艶のある寝起きの声に胸が高鳴った。
「お、起きてたの?」
「…うん」
1テンポ。いや、2テンポほど遅れてきた返事に、ほぼ半起きといった感じが見受けられる。
「ほっぺ触られるの嫌だった?ごめんね?」
「いや、全然嫌じゃないよ。ちょっと驚かせたかっただけ」
「…寝ぼけてるのに?」
「起きてた」
「嘘だー」
こんな他愛ないやりとりにでさえ幸せを感じる。
まぁ、付き合う前から元々こんな感じだったけど。