umbra 〜約束の日〜
「えっ?」
周りにいた野次馬兼見学者が驚きの声を上げる。
「おい!! 今バッグ投げたの誰だよ!!」
殴ろうとした奴が鼻を抑えながら言う。硬いバッグだったから尚更痛いはずだ。
「ククッ 間抜けな面。」
「お前か〜? 弱そうな奴が俺に喧嘩売っていいわけ? 俺は暴走族に入ってんだぞ。」
「おい、やめとけって。らしくもねぇよ。 てかお前じゃどうにも出来ないだろ。」
周りの男子からそう言われる。ほとんどの人が会話したことも無いし、下手をすれば顔を合わせたことがない人もいるだろう。
「うるさい。そんなことなんてどうでも良いんだよ。それより、お前今何しようとした?」
「あぁ? そんなこと見なくても分かるだろ。 そんなことより弱っちぃメガネ君は帰んな。強がってんじゃねぇよ。」
「見かけで判断すんなよ。 それに、鼻赤くなってるやつに言われたくない。」
「な、生意気な口を聞いてんじゃねーよ!!」
今度は俺に殴りかかる気かよ。 短気なやつ。
パシ