ネコライフ！

「体育。今日５０ｍ走測るんだよね～、いやだな。」
体操服に着替えて、グランドに出る途中。ルカがうなだれて言う。
「あんたは、５０ｍ走得意よね？」
「マぁね。今日は前の記録を抜くんだ～。」
そう、私は体力には自信あるんだよね。５０ｍ走は特に得意な種目。
毎年ちょっとずつだけど、記録は縮んでるんだ。

グランドの片隅に男女別に2列に並んでいると、体育の(女)先生“七海先生”が、爽やかな白いシャツと薄水色のジャージを着て、手には出席簿と記録する用紙を持ってやって来た。
「はい。今日は前から言っていた通り、５０ｍ走測ります。」
「出席番号順に、男子から。2回走って良い方を記録します。」
男子からか・・・今のうちに準備運動しとこっかな。一通り皆でやったけど、もうちょっと体ほぐしとこう。
―ピッ
タッタッタッ――
「８秒ッ。次！・・・７秒！」
次々と男子が走り終えていく。女子の番へと回ってきた。
―――
いよいよ次だ～。
「よーし。頑張るぞー！」
ドクッドクッ 心臓が高鳴る・・・落ち着いて、落ち着いて。深く深呼吸をすると。
七海先生が高々と手を挙げた、笛と手を合図にスタートする。