花を君に
「雄太………私、雄太に、言いたいことがあるんだ。」

「なんだよ?」

「ひっ、一つ目!………………私…………雄太の事が好きなの!」

「っ……………………!それが本当なら、俺だって好きだったよ。」

思いは届いた。付き合えるのかな…

「あ、ぇ、えっと!ふ、二つ目!私、外に出たい………………………………………」

「………………………それは………駄目だよ。安静にしてなくちゃ……今日から俺が見舞いに来てやっからな!もうカレカノだし!」

…!付き合うって、こんなに思いが届いて嬉しいものなんだ…!!
好きな人と、好きなことしたい。だけど、今は重い病気。外に出る事だって許されないから。今は、この状況を受けとめないといけないのかな、と思った。

「じゃあ明日も来るから!安静にしてろよ!」

「う、うん!ばいばい。学校頑張ってね」

「…おう!」

パタン……………………………………………

甘く切ない恋って、私だけが感じているものだと思ってた。叶わぬ夢、もしもそれが現実で起きたら…私は飛び跳ねていた。でも、今は好きな人と付き合えている夢のような感じ。でも、今は飛び跳ねるような元気はない。心臓が弱ばっている。雄太の言うとおり、安静にしてないとダメだよね。雄太の為にも、家族の為にも今は精一杯生きなきゃ。生きてる時に好きな事をしたいから…………

『優姫………ほんとごめん』

あれ…雄太がいる…?さっき帰ったのに…?

『優姫。今見たよね…俺が【ザザッ】、所…』

…よく聞こえなかった…てか、なんで私は喋れないのだろう?

『…ふっ………俺、他に好きな人出来た』

え…?じゃあ私たちの関係はどうなってしまうの?

『もう、見られたからには殺すしかないのかもな。優姫。』

嘘でしょ?待って雄太。私達は離れ離れになってもいいから殺さないで!それだけは……!

『まぁいつかはどーせ死ぬからいいか。心臓の病気なんて、手術しても治んねぇし。しかも、安静にしてたら、余計に悪くなるだけなのになぁw』

嘘………嘘、嘘!なんで…!私に嘘ついてたの!?雄太は私を見捨てたの!?ねぇ!喋ってよ!なんで喋れないの!

『さようなら。』

嫌だぁああぁ!




パチッ。目が覚めた。

ホッ。

「ゆ、夢で良かった…雄太がそんなことする訳ないよね!」
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