片翼の運命
わたしだって出来るのならそうしたい。
でも、彼はただの人間ではなくて。
片方だけ翼を持っていて。
「まー、守尾がどう受け取ろうがさ、人の気持ちまで証明は出来ないと思うけどね。証明して欲しいなら、ちゃんとこれって提示しないと証明しようがないだろ」
そう言って、箒を持ち上げてちりとりを持ってくる船川を目で追う。
「これって提示、とは?」
「これが出来たら合格! みたいなさ。よく言うじゃん、少女漫画で女子が、私を好きならこんなことまで出来るでしょうって」
「それ何の漫画? 気になる」
「姉貴の部屋にあったからよく分からない」
夏菜子の言葉に話の軸が逸れて行った。