片翼の運命
結局たぶん、わたしは、間違いなく。
慧斗を好きだ。
好きだから気にして、好きだから気にしてほしかった。
わたしが手を振ったことに驚いた顔をした慧斗は、少し手を止めて更に大きく腕を振る。
近くを飛んでいた蝙蝠がそれを避けてパタパタと飛んでいた。
手をおろして、堪らなくなって窓を開けた。少しだけ冷たい風が部屋の中に入ってくる。
「あの!」
今思ったのなら、今言わないと。
声を出すと、夜の街に響いたかと思うほど外は静かだった。
慧斗がこちらを見て、掌をこちらに向けた。