片翼の運命

その整った顔を見て、内心びくびくとした。怖いくらいに真剣だったから。

「てっかい……」

「そう、近付くなって言ったこと」

「……え、そんなこと言ったっけ?」

記憶のどこにもそんな言葉は見当たらず、彼を見るとしゅんとした表情。そ、そんなに気にしていた言葉だったのだろうか。

てゆーか、それはほんとうにわたし?
他の女子と勘違いしてるんじゃ……。

「幼稚園のとき、言われた」

「もしかして……わたしが怪我したとき?」

「そこ。だいきらい! って叫ばれた後、ちかづかないで! って言われた」

不本意だけれど顔が紅くなる。


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