大切なもの【完結】
「あっちには行きたくなかった?」


「さすがにあの顔何回も見るのはちょっとって俺小せぇなー」



近くにあった木の影に座り込む。



「小さくなんかないよ」


「ごめんな。こんな俺なのに好きって言ってくれて」


「こんななんかじゃないよ。翔だから好きになったの」



桜苗のストレートな思いに俺の胸はきゅんっとする。

あれ、彩香にも感じたこれ。
俺、桜苗のこと好きになれんのかな?



「つーかあいつ、見つけたなら連絡くらいしろよな」


「たしかに!」


「心配し損だっちゅーの」



まぁ、俺なんか気にならないほどお互いに夢中だから仕方ないけど。
なんだって振られた次の日に心配してんだよ。俺も。



「なんか食べようよ!」



桜苗が俺の背中をポンポン叩く。



「だな」



2人で出店に向かって歩く。



「桜苗なにたべたいー?たこ焼きとか?」



桜苗の好きなものがわけらなくて適当に聞いてみる。

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