大切なもの【完結】
余り物でどうですか つばさ×かおる

余り物な僕ら

「はぁ!?なんでお前らまで!?」



休み明けの月曜。
俺が学校に着くと二組のカップルができあがっていた。

や、1組はわかる。
てか、体育祭の時に聞いたし。



「なんで、翔と桜苗が付き合ってんだよ」



だって、翔はこの前まで彩香のことが好きだったじゃん。
それなのに桜苗と付き合うとかずるい。
なんなんだよ。



「あたしは翔が好きだし」


「思われるのも悪くないかなって」



二人それぞれ言葉を発する。


割り込む余地なしってか。



「俺、ちゃんと言わせてももらえないんだな」



きづいたらそう口にしてた。

悔しかった。
俺は桜苗のことをずっと見てたし、桜苗が翔のことを好きなのなんてずっと知ってた。
でも、それでも諦められるわけなんてなくて。
でも、体育祭の時に俺の気持ちはわかってたはずだよ。



「…翼」



桜苗が困った顔になる。


困らせたいわけじゃないのに。
本当なら〝よかったな〟って言うべきなのに。


その言葉が出てこない。

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