大切なもの【完結】
『俺、高城翔!えーっと、翼!よろしく!』



いきなり初対面で呼び捨てかよって思ったけど



『うん。よろしく。翔』



何を思ったのかそう答えていたんだよな。

俺は翔がいれば大丈夫だって思えるようになった。


そして、翔が次と次と声をかけてって
いつしか俺たちはいつも一緒にいるようになった。



「桜苗…」



俺は桜苗とは高校に入ってから出会った。
でも、俺は小学校の時の林間学校で隣の小学校だった桜苗と初めて話してるんだ。
桜苗は覚えてないだろうし、俺もそれについては桜苗に言ってない。


俺はそのときからずーっと桜苗が好きだった。
だから、翔には感謝してたんだ。
翔が桜苗に声をかけてくれたから、俺は桜苗と仲良くなれたんだ。

想いを告げる日がくるかもしれないと思えることすら前までなかった。
それがあの日俺の世界を変えたんだ。


でも、仲良くなってなかったらこんな悲しい想いも知らなかったけどな。

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