大切なもの【完結】
「はぁー予定丸つぶれ」



俺は顔を覆う。



「予定?」


「うん。予定では彩香と郁人がカップルになったから、俺が翔と香を慰めてまとめるはずだったのになぁー。なんか香に慰められてる」



ほんと。
土日の俺ってマジでバカみてぇ。

いままで俺はグループのまとめ役的な感じだったから。
中学まで1人でいたけど、周りのことは結構見てたから
だから、人の気持ちとかは結構わかるようになっていた。



「翼はさよく人のこと見てたよね」


「まぁ、な。そーいうの結構得意だからな。でも香も案外見てんじゃん。俺の好きな飲み物とかさ」


「ははっ。そうかもね。それ飲んで元気だしなさい」



俺の背中をバンっと叩く。



「痛てぇよ」


「ふふ。元気出るでしょ」


「まぁ、な」



香が元気だからかな。
俺もなんだか元気になってくる気がしてくる。



「あたしは結構スッキリしてるよ」


「そっか…」



俺も香みたいにスッキリできるのかな。
でも、どうすりゃいいんだろう。


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