大切なもの【完結】
やっぱり大切なもの

気持ちは嬉しい─Ikuto

「最近彩香が放課後遊んでくれないんだけど」



彩香が最近毎日のように放課後なにか理由をつけて早く帰ってしまう。



「あれじゃね?お前もうすぐ誕生日だろ」


「そうだけどそれが何か関係ある?」



俺の誕生日と彩香が早く帰るのと何が関係あるというのだろうか。



「バイトでもしてプレゼント買うんじゃないのー?付き合って初めての誕生日だろー?」


「なにもいらないのになぁ」


本当にバイトしてるだけならいいんだけど。
彩香に限って浮気なんていうのは有り得ないだろ。



「なんかバイトのような気がしてきた」



彩香が俺に何も言わない理由。
サプライズでも考えているのだろう。



「彩香ならマメそうだもん。そういうとこ」



翔がうんうんと頷く。



「たしかにな」



ひとりでこっそり計画立ててんだろうな。
でも、俺は…



「それよりも彩香といたいけど」


「まぁ、素直に祝われとけよ」



まだ本当の理由なんてわからないのに、こいつらの中では俺の誕生日を祝うためだってことになってる。

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