大切なもの【完結】
「週5らしいよ」


「結構入ってんじゃん。大丈夫かよ」



いままでバイトをしたことがない彩香にとって週5は結構体に負担がかかると思う。
最近やけに疲れてるような気がしてたけどこのせいか。
こんな無理をしてまで祝ってほしくないのにな。



「彩香が好きでやってることだからさ、見守ってやってよ」


「わかってる。ただ帰りが遅いじゃん」


「そうだね」


「心配だから帰るとき影から見てようかと…」



影からとかなんかアレだけど。
本当は堂々と送り迎えできたらいいんだけど。
彩香が教えてくれない以上それができないから。



「影からとかストーカーかよ」



悠貴が可笑しそうに笑う。



「うるせーよ。それしか方法がねぇんだよ」



ストーカーだって仕方ない。
帰り道、彩香が何か危ない目遭うよりは。
もし、遭いそうだったら偶然を装って助けられるだろ。

ストーカーでも彩香を助けれたらそれでいいんだ。

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