大切なもの【完結】
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「あ、ほんとだ」



次の日の放課後。
悠貴と一緒にパン屋の前に来てみる。



「彩香だな」



レジでお客さん相手に接客している女の子はどうみても俺の彼女だった。

パン屋のオリジナルエプロンを付けてる姿すら可愛いと思ってしまうなんて。
それにしても本当に彩香不足。


彩香不足すぎて、彩香から笑顔で接客されてる客にまで妬いてしまいそう。



「もしかして妬いてる?」



悠貴がニヤっとして聞いてくる。



「だって俺は放課後会えねーのにここの客は会えんじゃん」


「会うってレベルじゃねーぞ」


「もしかしたら彩香のこと気に入った客がそれから毎日来るかよしれねーし」



自分でもそんなことをきにしてどうすんだって思う。
でも最近の放課後の彩香に会えてないのは事実だから。



「なにしょーもないこと言ってんだよ」


「んなのわかってるよ」



考えたって仕方が無いってことぐらい、俺が一番わかってる。

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