大切なもの【完結】
「じゃあ今誘ったら？」


「大丈夫？明日約束入ってない？」



すごく心配そうな顔になる。



「入れるわけねぇだろ。彩香に誘われるの待ってたよ」



俺がこういえば彩香の顔はぱぁぁっと喜びに満ち溢れる。



「明日ね、家に来て欲しいの」


「彩香の家？」


「うん！」



悠貴の家じゃなくて、悠貴の家からずっとみてたあの家に入るのは実は初めてだ。



「わかった。なんじ？」


「んー。12時！」


「わかった。彩香の家は見慣れてるけど入るの初めてだな」



何度も行ってるような気がするのは、家の構造を悠貴からたくさん聞いているし、何度も目に焼き付くほど家自体は見てるから。



「たしかにね。ずっと悠貴の家なら来てたもんね」


「彩香がバイト始めてからも行ったんだよ」


「え、そうだったんだ！あ、もしかして悠貴にバイト先聞いた？」



思い出したように言う。

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