大切なもの【完結】
「だったら一緒。自分がいい気しないことは相手もしないんだから」


「…そっかぁ。ありがと」


「ん。わかったならよし。ってかこれ俺からも買お。明日渡しといて」



翔も郁人へのプレゼントを買ってあたしに託してくれて



「じゃあな。明日楽しめよ」


「うん。これ渡しとくね」



そう言葉を交わして翔と別れる。



「明日喜んでくれるといいなぁー」



なんて考えながら少しスキップなんかしちゃったりして、家の前に着くとちょうど向かいの家から悠貴が出てくる。



「お、彩香。なんか久しぶり？」


「ちょっと悠貴、バイト先教えたでしょ？悠貴に教えたお母さんが悪いんだけどさ」


「だってアイツかなりきにしてんだもん」



悠貴の言葉に申し訳なさを再び感じてしまう。



「そんな気にしてた…？」


「うん。あんなに彩香のこと好きだなんて思わなかったよ」



小さい頃からずっと一緒だった悠貴にこう言われるとなんだか照れ臭い。

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