大切なもの【完結】

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『ばっちり？』



夜、今度は香との電話。



「たぶん」


『なんで自信なさげなのさ』


「もしかしたら…って思うと」


『怖い？』


「怖い、っていうか…」



怖いわけじゃない。
だって、相手は好きな人だもん。



「うまくできるかどうか」


『そんなの心配しなくてもいいよ。郁人がちゃんとしてくれるから。彩香は受け入れればいいだけだよ』


「受け入れる…」


『まぁ、郁人も初めてだから明日そうなるかは分からないけどね』


「…うん」



やっぱり初めての人と初めてじゃない人では違うか。
そういえば、翔も翼も初めてじゃなかったんだっけ。


とりあえず桜苗に言われた通りやれることはやった。




「完璧だと信じる」



あたしにできることはやったから何があっても大丈夫。