大切なもの【完結】
━━ピンポーン
まさかまたここに戻ってくるとは。
本日2度の彩香の家のチャイム。
今日1回目にチャイムを鳴らしたときはワクワクがたくさんだったのに、いまは不安しかない。
…彩香に嫌われちゃっていないか。
そうさせたのは自分なんだけど。
━━ガチャッ
ドアが開いて
「えっ…?」
驚いた顔をした彩香がそこに立っていた。
「ごめん、入ってもいい?」
自分でも情けないけど、震えたような声しか出せない。
「あ、うん」
彩香の返事に家の中へと足を踏み入れる。
━━バタンッ
とドアが閉まる音を合図に俺は彩香をぎゅっと抱きしめる。
「郁人?」
「ごめん。傷つけたよな」
彩香の目は赤くなっていたから、俺が帰った後に泣いたなんてことは安易に想像がついた。
「傷ついてなんか…」
「ごめん。俺自分が怖くなったんだ」
自分でも情けない。
でも、言い訳なんてするつもりもない。
ちゃんとありのままの自分を話したい。
まさかまたここに戻ってくるとは。
本日2度の彩香の家のチャイム。
今日1回目にチャイムを鳴らしたときはワクワクがたくさんだったのに、いまは不安しかない。
…彩香に嫌われちゃっていないか。
そうさせたのは自分なんだけど。
━━ガチャッ
ドアが開いて
「えっ…?」
驚いた顔をした彩香がそこに立っていた。
「ごめん、入ってもいい?」
自分でも情けないけど、震えたような声しか出せない。
「あ、うん」
彩香の返事に家の中へと足を踏み入れる。
━━バタンッ
とドアが閉まる音を合図に俺は彩香をぎゅっと抱きしめる。
「郁人?」
「ごめん。傷つけたよな」
彩香の目は赤くなっていたから、俺が帰った後に泣いたなんてことは安易に想像がついた。
「傷ついてなんか…」
「ごめん。俺自分が怖くなったんだ」
自分でも情けない。
でも、言い訳なんてするつもりもない。
ちゃんとありのままの自分を話したい。