大切なもの【完結】
「開けていい?」


「うん」



彩香の言葉に俺は包み紙を開ける。
中からでてきたのは箱で、それもパコンッと開けてみる。



「なにこれ、めっちゃカッコイイ」



箱の中にあったのは、シンプルだけどどこか高級感のある細長いトップがついたチョーカー。



「郁人に絶対似合うと思って」


「うん。俺、こういうの好き」



俺が最も好むようなデザインだったことにびっくり。



「よかったぁ」


「すげぇよ。彩香、よくわかったな」


「なんとなくだよ。いろいろ見てたらこれだなって」



なんとなくでもいい。
でも、俺のことをちゃんとよく見てくれている彩香に胸がぎゅっと締め付けられる。


もういいかな。
我慢しなくて。



「…彩香」



俺は彩香のことをぎゆっと抱きしめる。



「郁人?」


「すげぇ、す「あ!これ!」



俺の発した言葉は何かを思い出した彩香の言葉によって遮られる。

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