大切なもの【完結】
「俺はそういう趣味は...」

「そうじゃねぇだろ!」


なんて叩かれる。

これ、翔ともやったな。


「お前さ、何も壊したくないんだろ?」

「は?」

「彩香だろ?」


翼が俺に耳打ちをする。


「は?」


あまりに翼が周りを見ていたことに今更気づく。


「大丈夫。翔には言わないから」


俺の頭をがしがし撫でる。


「お前全部知ってんのかよ」

「なんとなくな。わかるよ。お前が関係壊したくないってことも」


翼ってこんなになんでもわかるやつだっけな。


「あまり我慢は禁物な」


なにもわかっていないと思ってた。


「我慢しきれなくなったら言うな」


俺も素直になれた。
いまだけは。

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