大切なもの【完結】
「なんの話してんだよ」


俺らめがけて走ってくる翔。


「なんかあったら言えよ」


翔が来る前に俺に耳打ちしてくれた。

翼って
あんなにイケメンだったんだな。


「別になんも」


翼は翔に答える。


「てか、香元気なくない?」


翔が思い出したように言う。


「あー、うん」

「なに、告白でもされた?」


翔が俺を見る。


「告白はされてない」

「じゃあなに?」


不思議そうな顔になる。


「好きな人がいるって牽制した」

「へー。やるな」


なんて笑う翔。

お前それでも香の友達かよ。
なんて思う。


「俺は郁人の味方かなー」


とか言って俺の頭を撫でる。

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