大切なもの【完結】
「...1度もない」
間違ってないはず。
「クラス離れてたしな」
「あたし1組で郁人6組だったよね」
「よく知ってんな」
郁人が嬉しそうにわらう。
「郁人のこと中学の頃から知ってたんだ」
翼が言う。
「うん。あたしの幼なじみと郁人が同じクラスだった」
「悠貴(ゆうき)だよな?」
「...うん」
はじめて郁人を知ったのは
悠貴のお母さんに頼まれた忘れ物を持っていったとき。
あのときに1度だけはなしたんだよね。
悠貴をよんでほしくて。
「俺、1度だけ彩香と話したよ?」
郁人がにっこり笑っていうから
あたしの胸は簡単に高鳴る。
「あ、悠貴呼んでって言ったとき」
「うん。あの時に彩香の事知ったから」
「あたしもだ」
同じタイミングで
お互いをはじめて知ったっていう共通点。
それだけですっごく嬉しいんだ。
覚えていてくれて。
それだけで充分。
間違ってないはず。
「クラス離れてたしな」
「あたし1組で郁人6組だったよね」
「よく知ってんな」
郁人が嬉しそうにわらう。
「郁人のこと中学の頃から知ってたんだ」
翼が言う。
「うん。あたしの幼なじみと郁人が同じクラスだった」
「悠貴(ゆうき)だよな?」
「...うん」
はじめて郁人を知ったのは
悠貴のお母さんに頼まれた忘れ物を持っていったとき。
あのときに1度だけはなしたんだよね。
悠貴をよんでほしくて。
「俺、1度だけ彩香と話したよ?」
郁人がにっこり笑っていうから
あたしの胸は簡単に高鳴る。
「あ、悠貴呼んでって言ったとき」
「うん。あの時に彩香の事知ったから」
「あたしもだ」
同じタイミングで
お互いをはじめて知ったっていう共通点。
それだけですっごく嬉しいんだ。
覚えていてくれて。
それだけで充分。