大切なもの【完結】
「別に俺がたとえ彩香を好きだとても、彩香も俺を好きとは限らないじゃん」


俺はため息をつく。


「でも、押して押しまくれば...」

「なんでそんなに俺らに付き合って欲しいんだよ」

「彩香とだれか付き合わないと...彩香に振られたってあきらめないよ。翔は」

「まぁ、スゲェ好きだよな」


俺も桜苗の隣に座る。


「なんでうまくいかないんだろう」

「そんなの桜苗だけじゃないよ」

「郁人はまだわからないじゃん」

「俺は翔に彩香が好きだって言われた段階からもう諦めてるからね。何の資格もないよ」


そう、諦めたなら。
あきらめないと。


「諦めないでよ。お願い...」

「ごめん、翔と約束したから」

< 41 / 209 >

この作品をシェア

pagetop