大切なもの【完結】
「約束?」

「応援する約束」

「応援したって別に諦めなきゃいけないわけじゃない!」


桜苗が俺の制服を引っ張る。


「桜苗?」

「応援したって、彩香のこと好きでもいいじゃん!郁人そんなちっぽけな想いだったの!?」

「...桜苗」


ちっぽけなんかじゃない。

俺は...。
ずっと好きなんだ。

中学の頃からずっと。

どんどん大きくなってって止められないんだ。
こんなにも大きくなったんだ。


「ちっぽけじゃないんでしょ?」

「ちっぽけじゃないよ」

「でしょ?」


桜苗が涙を流しながら微笑む。


「中学の頃から好きなんだ」


俺は天井を見つめる。


「同じ中学だもんね」

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