大切なもの【完結】
「お前も、彩香に正直になってな」
こうつづけた。
「あぁ。教えてくれてありがとな」
「うん。言わないと後悔しそうだったから」
やっぱり。
翔は悪いヤツなんかじゃない。
すっげぇイイヤツだよ。
「桜苗探してくるわ!」
そう走り出す。
「あ、翔!もーすぐサッカーだからな!」
「わかってる!彩香誘えよ!」
「あぁ」
俺も翔に背を向ける。
まずは、サッカーみてもらう。
かっこいいとこ見せれたらいいんだけど。
俺も、ちゃんと言いたい。
好きだって。
口にしたい。
中学んときから思い続けてきた。
溢れてしまいそうだ。
もう黙ってなんていられない。
俺はどうやっても好きなんだ。
彩香が。