大切なもの【完結】
「ふたりに嫌われたみたい」

「ふたりって、桜苗と香?」

「...うん」

「ふたりの好きなやつがふたりとも彩香が好きだから?」

「...そうみたい」


あたしはため息をつく。


「彩香は翔のことは振ったんだろ?」

「...うん」

「そのうち仲直りできるって。ちょっとだけの我慢」


翼があたしの頭をなでる。


「...ありがと」

「しかし、女子って大変だなー」


翼がふって笑う。


「俺は、桜苗が翔のこと好きなのわかってるけど、翔のことなんとも思わねーもんな」

「…そっか」


女子と男子じゃ感じ方が違うのかも知れない。


「だって、彩香なんにもしてねーじゃん。まぁ、郁人のことは好きだろうけど」

「え!?」


なんで知ってるの...?

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