大切なもの【完結】
「バレバレだけど」


翼がおかしそうに笑う。


「まぁ、彩香が自分もって言ってくれなかった部分では香が怒るのもわかるかな。香も気づいてると思うし」

「...そっか」

「あ。サッカー勝った」


翼が立ち上がる。


「...ほんとだ」


クラスメイトたちが喜んでいるグラウンドがあった。

郁人も翔も笑顔だ。


「香とは話したら?桜苗はそのうちほとぼり覚める」


翼がニコって笑う。


「うん。ありがとう」


あたしは香を探しに走り出す。


「あ、彩香!」


グラウンドの下から大好きな人の声。


「おごるのはシュートした翔だなー」


なんて翔の肩を抱いて笑ってる。


「そうだね!」


あたしも笑顔で言う。

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