大切なもの【完結】
「待って香」


俺は香を彩香から離す。


「自分でいうから」


ほかの人に口にされてたまるかよ。


こんなにずっと抱えてた大切な思い。
ほかの口からじゃなくて。

自分で言いたい。


「俺、彩香が好き」


そして


「香ごめん。彩香が好きだ」


香にもつげる。


「わかってたよ」


香が涙をためた目で辛そうに微笑む。


「...あたしなの?」


彩香はその場に座り込む。


「彩香もちゃんといいないよ」


香が彩香を立たせる。


「でも...」


彩香が香を見る。


「あんたの気持ちなんてもうずっとわかってる。嫌ったりなんかしないから」


彩香の背中をぽんっと叩く。

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