大切なもの【完結】
─Ayaka


「郁人が...好き」


あたしは郁人に小さい声だけど思いをつげる。


「やっと言った。あとは2人の時間ね」


香があたしの頭をなでて、歩いていく。


「彩香」


郁人があたしに顔を近づける。


「ほんとに俺のことすき?」

「...うん」


あたしはこくんとうなづく。


「...そっか。よかった」


郁人の顔があまりにも嬉しそうで。
こっちまでその顔が伝染してきてしまいそうだった。


「郁人」

「いつから?いつからあたしのことすきだったの?」

「たぶん、初めてあったとき」


郁人があたしを抱きしめる。


「中学のとき?」

「...うん」

「...一緒だ」


あたしと同じ瞬間。
同じ場所
同じ空間。


一緒に好きになったんだ

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