大切なもの【完結】
「ほーらかわいい!」



お姉ちゃんが鏡を見せてくれる。



「ありがとう!そろそろ行かないと遅刻しちゃう」


「転ばないでね!郁人くんと仲良く!」



お姉ちゃんの言葉に照れながら巾着に携帯と財布を入れる。



「いってきまーす」



2人に告げて家を出る。



郁人とデートなんて何を話せばいいんだろう。
ちゃんとできるかな。
不安ばかり。
あたしちゃんと郁人の彼女出来るのかな。


そんなことを思っていたら駅についていた。

郁人とはお祭り会場の目の前にある駅で待ち合わせをしてる。



「ふぁー」



昨日あまり寝付けなかったせいかあくびが出る。
郁人の前ではあくびしないようにしなきゃ。
つまらないって思ってるって勘違いされるの嫌だし。


つい昨日の昼までありえなかったことが
あの告白からはありえることになっていて。
なんかすごく変な感じがする。

郁人もずっとあたしを好きでいてくれたなんて、こんな幸せ誰が予想しただろうか。

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