寄生虫
どうして電源をすぐに入れなかったんだろう。
あたしは自分の下唇を噛みしめた。
真尋は1人で心細かったに違いないのに……。
今の時間を確認すると20時前だった。
まだ起きている時間だ。
あたしはすぐに真尋へ電話を入れた。
2コール目ですぐに電話がとられる。
『もしもし!?』
あたしより先に真尋の声が聞こえてきて、あたしは思わず言葉に詰まった。
真尋の焦りがリアルに伝わって来たからだ。
「ご、ごめん真尋。今日病院へ行っててスマホの電源を入れるのを忘れてて……」
他に何か言う事があるはずなのに、言いわけじみた言葉が先に出て来てじれったい。
『病院? まさかサナギも熱中症?』
「ち、違うよ。あたしは平気。それより克哉は……?」
慌てて否定して本題へと入る。
『克哉は今はもう大丈夫そう。朝からずっと公園で1人練習してたらしくて、お昼休憩も挟まずに炎天下にいたから倒れちゃったんだって。偶然通りかかった子供連れの夫婦が救急車を呼んでくれたから助かったけど、そうじゃなかったら危なかったって……』
あたしは自分の下唇を噛みしめた。
真尋は1人で心細かったに違いないのに……。
今の時間を確認すると20時前だった。
まだ起きている時間だ。
あたしはすぐに真尋へ電話を入れた。
2コール目ですぐに電話がとられる。
『もしもし!?』
あたしより先に真尋の声が聞こえてきて、あたしは思わず言葉に詰まった。
真尋の焦りがリアルに伝わって来たからだ。
「ご、ごめん真尋。今日病院へ行っててスマホの電源を入れるのを忘れてて……」
他に何か言う事があるはずなのに、言いわけじみた言葉が先に出て来てじれったい。
『病院? まさかサナギも熱中症?』
「ち、違うよ。あたしは平気。それより克哉は……?」
慌てて否定して本題へと入る。
『克哉は今はもう大丈夫そう。朝からずっと公園で1人練習してたらしくて、お昼休憩も挟まずに炎天下にいたから倒れちゃったんだって。偶然通りかかった子供連れの夫婦が救急車を呼んでくれたから助かったけど、そうじゃなかったら危なかったって……』