寄生虫
診察券
案内された部屋は2階の奥の部屋だった。
沢山部屋がある中、そこだけ『克哉』と書かれたプレートがぶら下がっている。
あたしはそれを見て首を傾げた。
克哉の性格を考えると部屋にプレートなんて下げないような気がする。
しかもかかっているのはベニヤ板に絵の具で名前が書かれていて、周りには花の模様も描かれている。
どう見ても手作りだった。
ジロジロとプレートを見ていると、後ろから「それはあたしが趣味で作っているものなのよ」と、克哉の母親が声をかけて来た。
「そうなんですか?」
「えぇ。元々絵が好きで、練習で作ってみたの。最初は全然使ってくれる気配もなかったし、使ってもらえるとも思ってなかったけど、12月末くらいから使ってくれだしていたのよ」
母親はそう言い、懐かしむようにプレートに触れた。
その時の嬉しい気持ちが表情にも表れている。
やっぱり、克哉が変化し始めたのは12月からだ。
その時になにがあったのか、手がかりがあればいいけれど……。
そう期待しながら、あたしたちは克哉の部屋に足を踏み入れたのだった。
沢山部屋がある中、そこだけ『克哉』と書かれたプレートがぶら下がっている。
あたしはそれを見て首を傾げた。
克哉の性格を考えると部屋にプレートなんて下げないような気がする。
しかもかかっているのはベニヤ板に絵の具で名前が書かれていて、周りには花の模様も描かれている。
どう見ても手作りだった。
ジロジロとプレートを見ていると、後ろから「それはあたしが趣味で作っているものなのよ」と、克哉の母親が声をかけて来た。
「そうなんですか?」
「えぇ。元々絵が好きで、練習で作ってみたの。最初は全然使ってくれる気配もなかったし、使ってもらえるとも思ってなかったけど、12月末くらいから使ってくれだしていたのよ」
母親はそう言い、懐かしむようにプレートに触れた。
その時の嬉しい気持ちが表情にも表れている。
やっぱり、克哉が変化し始めたのは12月からだ。
その時になにがあったのか、手がかりがあればいいけれど……。
そう期待しながら、あたしたちは克哉の部屋に足を踏み入れたのだった。