寄生虫
☆☆☆
克哉の部屋は想像以上に綺麗だった。
本棚もテーブルも整理されていて、まるでモデルハウスの一室のようだ。
「もう、掃除はされたんですか?」
思わずそう聞くと、母親は首をふってそれを否定した。
「無駄な物がなにもないですね……」
そう言うと、「全部捨てちゃったみたいなのよ」と、言われた。
「それはどうしてですか?」
「みんなが期待するように真面目になりたいから。そう言っていたと思うわ」
「12月頃……?」
「そう、確かそれくらいだったわね」
あたしと京介は目を見かわせた。
勉強道具とサッカーの道具だけの部屋の中、真尋が本棚の前で立ち止まった。
本棚の上には写真立てが何個か置かれていて、それのすべてが真尋と一緒に写っているものだった。
「克哉……」
真尋が写真に触れて呟いた。
その声は痛々しいほどに震えている。
なんとしてでも、なにかヒントを見つけないと……。
そう思い、あたしたちは動き出したのだった。
克哉の部屋は想像以上に綺麗だった。
本棚もテーブルも整理されていて、まるでモデルハウスの一室のようだ。
「もう、掃除はされたんですか?」
思わずそう聞くと、母親は首をふってそれを否定した。
「無駄な物がなにもないですね……」
そう言うと、「全部捨てちゃったみたいなのよ」と、言われた。
「それはどうしてですか?」
「みんなが期待するように真面目になりたいから。そう言っていたと思うわ」
「12月頃……?」
「そう、確かそれくらいだったわね」
あたしと京介は目を見かわせた。
勉強道具とサッカーの道具だけの部屋の中、真尋が本棚の前で立ち止まった。
本棚の上には写真立てが何個か置かれていて、それのすべてが真尋と一緒に写っているものだった。
「克哉……」
真尋が写真に触れて呟いた。
その声は痛々しいほどに震えている。
なんとしてでも、なにかヒントを見つけないと……。
そう思い、あたしたちは動き出したのだった。