寄生虫
「薬くらい、自分でぬれる」
あたしがそう言ってもお母さんはあたしの腕から手を離さなかった。
「いいのよ。こういうのはお母さんの仕事なんだから」
そう言ってどこか楽しそうにほほ笑む。
そう言うものなんだろうか?
よくわからなくて首を傾げていると、お父さんが「おい、ビール」と、テレビから視線を離さずに言った。
「ちょっと……!」
文句を言ってやろうとした時、お母さんが「はいはい」と、返事をして立ち上がった。
冷蔵庫へ向かい、冷えたビールを2本取り出し、テーブルに置くとお母さんはあたしのところへ戻ってきた。
「ビールくらい自分で取りにいけばいいのに」
ボソッと文句を言うと、お母さんはさっきと同じように優しい笑顔をたたえたまま「いいのよ。お母さんはこのくらいしかできないんだから」と、言った。
このくらいって……。
あたしは納得できなくて頬を膨らませる。
家事だって立派な仕事だ。
お金が発生しない仕事を毎日しているお母さんは十分に立派だ。
そう思ったが、言葉にはできなかった。
あたしがそう言ってもお母さんはあたしの腕から手を離さなかった。
「いいのよ。こういうのはお母さんの仕事なんだから」
そう言ってどこか楽しそうにほほ笑む。
そう言うものなんだろうか?
よくわからなくて首を傾げていると、お父さんが「おい、ビール」と、テレビから視線を離さずに言った。
「ちょっと……!」
文句を言ってやろうとした時、お母さんが「はいはい」と、返事をして立ち上がった。
冷蔵庫へ向かい、冷えたビールを2本取り出し、テーブルに置くとお母さんはあたしのところへ戻ってきた。
「ビールくらい自分で取りにいけばいいのに」
ボソッと文句を言うと、お母さんはさっきと同じように優しい笑顔をたたえたまま「いいのよ。お母さんはこのくらいしかできないんだから」と、言った。
このくらいって……。
あたしは納得できなくて頬を膨らませる。
家事だって立派な仕事だ。
お金が発生しない仕事を毎日しているお母さんは十分に立派だ。
そう思ったが、言葉にはできなかった。