寄生虫
☆☆☆

選手が着替えて出て来るのを待っていたのは、同年代くらいの女の子ばかりだった。


さっきまで熱心に応援していた10人くらいの女の子が、選手へのプレゼントや手紙を手に待機している。


「すごい……」


まるで芸能人の出待ちみたいな光景にあたしは思わず呟いた。


「でしょ? ほとんどが京介と克哉のファンの子なんだよ。最初は身内の応援とかで見に来てた子も、グラウンドでの2人の活躍を見て好きになってるみたい」


確かに、京介と克哉の2人はずば抜けて目立っていた。


サッカーの実力もそうなのだが、やっぱりカッコよさが引き立っているのだ。


ひと目ぼれをしてしまってもおかしくないと、あたしも感じる。


これだけの、いやこれ以上のライバルがいると思うと振られてもいないのに落ち込んでしまう。


「あ、出て来たよ」
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